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神話を学ぶ意味
トインビーが残したコトバ
「十三歳から四歳までに神話を学ばなかった国は百年以内に滅びる」

歴史学者のアーノルド・トィンビーが残したと言われる言葉です。
この言葉と出会ったときに思った疑問が、
なぜ神話を学ばないと滅びるのか?
なぜ百年以内なのか?
日本は2025年で、ちょうど戦後80年になります。
戦後、GHQの政策により神話を学ばなくなった日本。
先人達のおかげで経済は世界トップクラスにまで上り詰めたものの、「神話」を置き去りにした今、社会は目指す先を見失い迷宮に入っているように見えます。
国は民族という単位でもあります。その最小単位が家族。
生命として守られ育んでもらう土壌となる家庭が崩壊しつつある今、家族の集合体である民族、それを支える国の崩壊もすぐそこまで来ているのかもしれません。
そんな日本には、古事記という約1300年前に残された神話があります。
世界の神話と違う特徴的な一つが、日本の神様は「ご先祖様」ということです。
古事記が編纂された1300年前からさかのぼり、さらに遠い遠いご先祖様の生き方や智慧、日本という国柄、「日本らしさ」の詰まったお話しでもあります。
そんな素晴らしい智慧の教科書を残してくれた先人たち。
2025年は、昭和100年の節目にもあたる今。
トィンビーがいう100年というタイムリミットがすぐそこまで来ています。
古事記に込められた民族の原初を解き明かし、トィンビーの言葉の答えに近づいてく。
神話は、私たち生命としてのヒントを学ぶ事が出来る最高の教科書なのかもしれません。
日本の神話「古事記」
第40代 天武天皇の時代、天皇の系譜や各氏族の伝承が、古来より伝えられてきた内容と異なってきたことから、優れた識字能力と記憶力をもった稗田阿礼(ひえだのあれ)に、帝紀や旧辞を暗誦(あんしょう/覚えて口に出してとなえること)するように命じました。
帝紀(ていき)・・・歴代の天皇の系譜
旧辞(きゅうじ)・・・各地の氏族に伝えられた様々な伝承
しかし、完成を見ないまま天武天皇は崩御され、編纂は中断されました。
712年に第43代 元明天皇が、稗田阿礼が暗唱した内容を太安万侶(おおのやすまろ)に書き起すよう命じ、短期間で編纂し完成したのが日本最古の書物である古事記(こじき / ふることふみ / ふることぶみ)です。
古事記は三巻構成にまとめられ、日本語を漢文の文法にならい書き表した変体漢文の形式で書かれました。
上つ巻(かみつまき) |
序文と神話を記載。 天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)から始まるお話し。 伊邪那岐命(いざなぎのみこと)・伊邪那美命(いざなみのみこと)の国生みと神生み、その後に伊邪那岐命から生まれる最高位の太陽神と言われる天照大神(あまてらすおおみかみ)と素戔嗚命(すさのおのみこと)との高天原での誓約(うけい)や天岩戸開きのお話しへ。 そして、お話は地上の出雲へ。素戔嗚命が高天原を追われヤマタノオロチ退治をするお話から、大国主の国作り、そして天孫族への国譲り。 天照大御神の孫である瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の天孫降臨から、神武天皇の親とされる鸕鶿草葺不合命(うがやふきあわせずのみこと)まで。 |
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中つ巻(なかつまき) | 初代 神武天皇から第十五代 応神天皇まで |
下つ巻(しもつまき) | 第十六代 仁徳天皇から三十三代 推古天皇まで |
最初に古事記について文献に記されたのは、宮中で日本書紀の講義・研究をおこなう日本紀講筵(にほんぎこうえん)の先生をしていた多人長(おおの ひとなが)が、812年に書いた「弘仁私記( こうにんしき )」に登場します。
多人長は、名前から太安万侶の子孫とも言われ、編纂から100年経って古事記の存在がやっと表に出てきます。
その当時の古事記の位置づけは、日本書紀が漢文で書かれていることから、本来の古語の読み方を学ぶための訓読のテキストとして使われていたようです。
そこから数百年立ち、江戸時代に古事記を復権したのが国学者 本居宣長(もとおり のりなが)です。
宣長は写本として残された古事記の字句や内容を、出来る限り元来の文書の形に再構成し、35年かけた研究の集大成として「古事記伝」を執筆しました。それから、冷遇されていた古事記に対する評価は変わり、注目を集めるきっかけを作りました。
江戸時代後期に盛んになった仏教や儒教の影響を排除し、昔ながらの神道を取り戻そうとする復古神道(古神道)の思想を構築した一人でもあります。
このように江戸の後期頃から再注目を集めるようになった神話ですが、名著を見るかのように時代に合わせ、経験に合わせ、100人いれば100通りの解釈ができる存在にもなり、現代の私たちにも色々な気づきを与えてくれる書物として受け継がれています。
講座内容
全十回 古事記を現代に活かす智慧として読み解いていきます。
全10回、1回 2時間程度のお時間で講座を進めていきます。
古事記に出てくる神様やその行動を、仏教という人を読み解いた哲学と現代の知恵を借りながら、物語に込められた生命観や日本人という民族の原初を読み解いていきます。
現代を生きる「私」の在り方や、これからの社会の在り方、生きていくための思考のヒントを学び、トィンビーの言葉の答えに近づいてく。
「神話を通して私を知る」そんな学びの旅をしていきます。
講座を通してお届けしたい事
- 神様から学ぶ人間哲学 自分軸・自分らしさの修め方と見つめ方
- 自然・生命から学ぶ調和と循環の組織(家族、会社、社会)
- 物質・テクノロジー社会と共に生きていく身体と心と霊性の在り方 等々
- 生命・宇宙の哲理
- 私たちに個性・差があるワケ
- 陰と陽、精神と物質 生命・自然から学ぶ調和社会
- 私たちが奏でる音色 調律しているからこそ調和する
- 生命から学ぶ組織・チーム運営
- 神様の使命から学ぶ私の使命・使命を探るヒント
- 神様のやらかしから見る生きるヒント
- 私を分析する どんな存在なのか?魂と人の機能
- 自我との向き合い方
- この世界は写し世(カガミ)の世界
- 祭政一致・神人合一な生き方
- 自分軸と他人軸 無い世界と有る世界どちらを生きる
- 現代社会(物質社会)を見る目、生きていく智慧
- 未来・過去でなはく「今」を生きる意味
- 「日本らしさ」の学びは「自分らしさ」の学び
- 「空」と「和」の世界観 日本人の叡智
- 先人が込めた想い「日本のビジョン」
- 永遠の命とは 継承の大切さ 想いというエネルギー
- 現代人に失われつつある社会や物事を分解する力
- 自然のシステム 分解と再生の循環サイクル
- 天岩戸開き・国譲りという現代を生きる私たちの役割
「別天津神五柱(ことあまつかみごはしら)篇」

- 登場する神様 -
天之御中主神 高御産巣日神・神産巣日神 宇摩志阿斯訶備比古遅神 天之常立神
「イザナギ・イザナミ篇」

いよいよ日本の国を形つくられた原神、この講座のメインともなるイザナギ、イザナミのお話です。
日本の島々や神様を生み出していく二柱の神様の使命は「修理個成」。
現在を生きる私たちにとって、使命や役割、生命の理が含まれた大事な言葉です。
「修理個成」という言葉を紐解く事で、私達が忘れかけた根源が見えてきます。
イザナギ、イザナミの人間味あふれる行動からうまれる物語は、日本の根源神でありながらも、人の歩みを示してくれる親のような親近感を抱かせ、人それぞれが持つ使命との向き合い方など、現代の私たちに様ざまな学びを与えてくれます。
神生みの中でのイザナミの死と、イザナギの禊(みそぎ)という神道ならではの反省という行動。自らが神としての役割を再認識し、使命に立ち返ることで動き出す生命の躍動と、禊により最高点を迎えるイザナギの物語を追っていきます。
現実世界での私たちの歩み方を、ご先祖様でもあるイザナギの神達から学び深めていきます。
- 登場する神様 -
国之常立神・豊雲野神 伊邪那岐命・伊邪那美神
八十禍津日神・大禍津日神 神直毘・大直毘 伊豆能売大神 綿津見大神・筒之男神
「アマテラス・スサノオ篇」

いよいよ、日本神話で最も有名な天照大神の登場です。
イザナギが禊をして最も清らかとなった状態で、左目、右目、鼻から生まれる、何とも不思議な誕生の仕方の三柱の神様たち。
「ひだり」と「みぎ」。この誕生の仕方に、神道ならではの真理が隠されていました。
そして、三柱の神々に与えられた日本独特の統治理念「シラス」という使命。
数千年後の憲法まで受け継がれた世界でも稀な統治理念は、私たちが昔に捨て去った精神性と物質の一致が生み出す、これからの時代にとって必要な理念だったのです。
統治理念を受け継いだスサノオの葛藤と、アマテラスを通して見えてくる組織やリーダーとしての在り方について解き明かしていきます。
アマテラスとスサノオの誓のシーンに「五」と「三」という数字が出てきます。
神話において数字は大事な意味や象徴を表すと言われていますが、「五」と「三」は物質性と精神性を現した大事な意味を秘めていました。
数字の意味や、二柱の神の神生みから見えてくる「ナル」のキーワードを、改めて読み解きます。
そして、古事記の中で最も有名と言われる「天の岩戸開き」。
何かあれば集まってくる神様たちの会議は、世界初?の合議制と民主的な決断方法でもありました。神様たちの決め事や行動は、現代にとっても学ぶべき内容でもあり、天の岩戸開きは、これからの時代に関係する大事なお話でもあります。
スサノオはなぜ暴れたのか、これからの天の岩戸開きとは。
スサノオが、高天原を追放されるまでのお話を見ていきます。
- 登場する神様 -
天照大神 月読命 素戔嗚尊 高天原の神様たち
「オオクニヌシ・国譲り篇」

物語は地上、出雲のお話へ。
オオクニヌシの序盤の物語は、兄神たちから殺されかけたりと理不尽なお話ばかり。
ひどい仕打ちをする兄たちから逃げた根の国に住むスサノオ命にも、生死に関わる試練を与えられます。それらは国津神として統治王になるための試練だったのです。
そして、統治王として独り立ちしていく中で出会う、共に協力していく神様たちのお話など、私たちが組織を率いる時に必要な心構え、在り方を物語から読み解いていきます。
オオクニヌシの物語の後半は、これもまた古事記の中で有名な「国譲り」。
国津神から天津神の世へ。
ウシハクからシラスへと、再度登場する日本独特の統治理念。
古事記の中で多くをさかれた「出雲」という鍵を見つめながら、現代の私たちにも問われている「国譲り」というテーマについて読み解いていきます。
- 登場する神様 -
大国主 少彦名命 天之菩卑能・天若日子 建御雷神 事代主神 建御名方神
「天孫降臨・建国・統治篇」

神話の時代から人の時代へ。
古事記では、上巻から中巻へとお話が移っていきます。
神様を高次元の存在と考えるなら、降臨とは物質世界へ次元降下していくような感じでしょうか。
イザナギ・イザナミ、スサノオもまた次元降下して人の感情が育まれた神様でもありました。
アマテラスから葦原中国の統治を委ねられたニニギもまた、地上の理から逃れられない、コノハナサクヤヒメとの物語がうまれます。神から人へ。
地上に降り立った神様の行動は、現代の私たちに大事なヒントを与えてくれます。
天照の子孫と言われる歴代の天皇の歩みは、生命の理の中で苦心しながらも志を受け継ぎ「修理個性」してきた、ご先祖様たちのお話でもあります。
その中で生まれた日本という国。会社を立ち上げるのと同じように、日本にも理想(ビジョン)が掲げられました。理想とリンクする三種の神器。その意味を紐解きます。
古事記の最後を飾る、三十三代目のあたる推古天皇の御代に活躍した聖徳太子。
太子がいきた時代は、現代に酷似した時代背景で、内政、外交と苦心しながら舵取りを行いながら、アメノミナカヌシからはじまる「ナル」から受け継がれた「和」の哲理を憲法十七条に残しました。
先祖たちが苦心して作りあげてきた日本という国を、古事記を通して見ていきます。
- 登場する神様 -
瓊瓊杵尊・木の花佐久夜毘売・石長比売 海幸彦・山幸彦・豊玉毘売・玉依毘売 神武天皇 聖徳太子
「神話を作り出す私たち-天岩戸開きと国譲り」

最終回は今までのおさらいとともに、トィンビーが残した言葉の意味と、今を生きる私たちの役割について、アメノミナカヌシから受け継がれた「ナル」や「修理個性」というテーマを再度振り返ります。
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」
ドイツの初代帝国宰相オットー・フォン・ビスマルクの格言ですが、これからの未来に向けて、神話が果たす役割とは。今を生きる私たちは神話という歴史から何を学び成していくか。
体主霊従から霊主体従への変換期の今を生きる私たちが、生命のひとつとして、過去と未来をつなぐものとして、どんな神話を紡いでいくのか。
二千六百年の時空(とき)を皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
講師紹介
WEB制作を行いながら古事記や憲法十七条といった日本の神話や文化の講座を開催しています。
神話を学ぶきっかけは、「神話を学ばなかった民族は滅びる」というトィンビーの言葉から。
そんな時に出逢ったのが、哲学として読み解く古事記です。
AI・ITの発達とともに物質的に豊かになり、量子力学が意識の世界を垣間見えようとする今、私という存在をより認識、意識し、イメージ化する『意識革命-イメージ革命』という大変革がきているように思えます。そんな時代を歩むための道標として、日本らしさ、日本人らしさを見つめ直す神話の重要性を感じ、先人が残した古事記を一つのヒントに出来ればと思い、講座を開催しています。


講座を受講する
講座は全10回をアーカイブで配信いたします。リアルタイムのオンライン(zoom)配信も予定しております。※開催日は、「オンライン講座 開催予定日」をご覧ください。
配信後、3カ月間はアーカイブで何度でもご視聴いただけます。
今回は、アンケート、ご感想にご協力いただいける方に特別割引で、講座をお届けいたします。
オンライン講座では、講座終了後にご質問時間も設けておりますので、お気兼ねなくご質問ください。
1回から5回の前半だけ、6回から10回の後半だけを受けたい方は、1クール5回受講をお選びください。
リアルでも講座を開催しておりますが、会場などにより費用が異なりますので、詳しくは最新情報をご覧ください。
1クール5回受講 (第1~5回 or 第6~10回) |
22,000円
16,500円
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2クール全10回受講 |
44,000円
33,000円
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2025年4月までに講座を受講していただいた方には、
『特別価格』でご提供しております。 講座料金はお問合せください。 |
オンライン講座 開催予定日
講座はアーカイブとして録画しますので、講座日から数日以内にご視聴いただけます。
公開から3カ月間、いつでもご視聴いただけます。
当日、講座終了後に30分ほど質問時間をご用意する予定です。お時間ある方はご質問ください。
※都合により講座の時間を変更する場合がございます。その際は、前もってご連絡いたしますのでご了承ください。
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2025年5月21日(水)20時〜22時迄
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2025年6月4日(水)20時〜22時迄
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2025年6月18日(水)20時〜22時迄
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2025年7月2日(水)20時〜22時迄
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2025年7月16日(水)20時〜22時迄
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2025年7月30日(水)20時〜22時迄
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2025年8月13日(水)20時〜22時迄
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2025年8月27日(水)20時〜22時迄
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2025年9月10日(水)20時〜22時迄
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2025年9月24日(水)20時〜22時迄
第一回は、トインビーが残した言葉について考えを深めていくために、古事記やその基礎となる神道、神話と関係性の深い世界の代表的な宗教について学んでいきます。
アブラハムの宗教と言われるキリスト教らの神様とは。日本に溶け込んだ仏教の仏様とは。そして神道の神様とは。
西洋と東洋の思想にわけながら考察していきます。
そして、古事記の最初に登場する神様「アメノミナカヌシ」のお話へ。
「アメノミナカヌシ」の物語は数行の文字で終わりますが、そこには本講座のメインテーマともなる、全ての命は「一」つであり「多」でもあるという「一元生命」の世界観が込められています。
さらに、後に登場する神々 イザナギ、イザナミや、私たち自身にも繋がる大事なキーワード「ナル」。仏教でいう「空」の世界観を見ながら、私たちの原点となる宇宙観と生命観を紐解いていきます。
第二回では、生命エネルギーの躍動として動き出したタカミムスビとカミムスビ。そして、隠れた世界の原型となっていく、ウマシアシカビヒコヂ、アメノトコタチのお話しへ。
登場後すぐにお隠れになる別天津神五柱の内の四柱の神々から見えてくるのは、宇宙の原理や東洋的な陰陽思想。
躍動から生命の根源の誕生。そして「常」なる永遠の世界の誕生へと形作られていく神様から、この世界の原理とも言える「今」と「永遠」について読み解いていきます。